ベッティングシステム (Betting system) とは、カジノなどのギャンブルで、どのような賭け方(ベット)をするかの戦略である。ベッティングストラテジ (Betting strategy)、マネーマネジメント (Money management) とも呼ばれる。
もっとも単純なシステムは、常に同じ単位だけベットすることである。それ以外に、状況に応じてベッティングをするにあたっては、いくつかの最適解もしくは指針が存在する。
ベッティングシステムは前回の結果が次回の結果に影響する(独立事象)かどうかによって、大きく2つに分けることができる。独立事象でないものは、有利不利の段階に応じてベットすることによって期待値を変動させることができる。一方、独立事象のものは、分散の変動のみが可能である。
独立事象でないもの [編集]
例えばブラックジャック、バカラなどのようなゲームである。これらのゲームは、各ラウンドごとにカードを新たにシャッフルしなおさず、前回までに使われたカードの含まれないデックで次のゲームが始まる(マルコフ過程)。つまり、ラウンドごとに1単位に対する期待値が変動し、プレイヤはそれを利用することができる。
例えばブラックジャックにおいて、この偏りを利用するのがカウンティングであり、その戦略にベッティングシステムが含まれている。プレイヤはカウントに応じて次のようにベットを行う。
不利、もしくはカードが配られた当初は最小単位を賭ける (ミニマムベット)
必ずしも有利ではないが、有利に近い場合はその近さに応じてベットを行う
カウントが有利になれば許される最大単位を賭ける (マックスベット)
カジノホスト(胴元)側は、これらの手法の有効度を下げるため、ミニマムとマックスの差を少なくする(つまりベット上限及び最小ベットを設定する)、カードを使い切らず途中でまたシャッフルしなおす、あるいは複数のデッキを使用する、などの手段をとることがある。
またこれはベッティングシステムとは異なるが、試行回数を増やす、すなわちベットを等分に分けマルチハンドでプレイすることによって分散を減らし(ヘッジ)、パンク(破産)リスクを軽減させることができる。
バカラでも同様のカウンティングおよびベッティングシステムが存在するが、一般的な(特にカジノルール)バカラにおいては、偏りが非常に稀であるため利用されることはない。
もちろん「独立事象でないもの」で記述されるベッティングシステムを併用して、さらに分散を変動させることも可能である。
独立事象のもの [編集]
例えばルーレット、クラップスのような、前回の結果が今回に影響しないようなゲームである。このようなスタイルのゲームは、控除率が0ではない限りどのような賭け方をしようと期待値は常にマイナスであり、長期間のプレイで勝利することは難しい。ただし、賭け方を工夫することによって、分散の違い、すなわち、
大勝か大敗かのどちらかを求める
小勝ちでもよいから、大負けだけはしたくない
の選択をすることができる。プラス、マイナスともに目標値を設定し、そこで終了するのは良い考え方とされている。
ちなみに、分散を最大にする方法は、許される最大単位を最大のオッズに賭けることであり、最小にする方法はそもそもプレイをしないことである。
以下に代表的なベッティングシステムを挙げる。特にルーレットにおいては、マーチンゲールのバリエーションを始め過去から数限りないベッティングシステムが提案されてきた。ここで、これらのシステムは勝つことでなく、あくまで楽しみを増すためのものであることに注意を喚起しておく。
これらは基本的に、2倍賭け、つまりルーレットで言う赤か黒か、丁半でいう奇数か偶数か、などに適用されるが、どのようなオッズのゲームであっても、例えば競馬やスポーツベットのような可変オッズのゲームでさえ、ベットの相対量を加減することによって応用可能である。
マーチンゲール
最も古典的かつ有名な手法で、カジノ必勝法として永らく愛されてきた。倍賭け法とも言われる。
まず1単位賭け、負ければその倍の2単位、さらに負ければそのさらに倍の4単位、と賭けていき、一度でも勝てばただちに1単位に戻す、という手法である。試行回数に関係なく、勝った時には1単位を得ることになる。
多くの場合には少額の勝ちであるが、負ける時は大敗する。負けが連続するとたちまちパンク、もしくはテーブルリミットと呼ばれる賭けの上限に達してしまう。
グランマーチンゲール
マーチンゲールのバリエーションの一つである。大マーチンゲールとも呼ばれる。
まず1単位賭け、負ければその倍の2単位+1の合計3単位、さらに負ければ倍の6単位+1の合計7単位、と賭けていく手法である。常に試行回数×1単位を得ること狙う攻撃的な手法。マーチンゲールよりパンクのリスクは高くなる。
パーレー
逆マーチンゲールとも呼ばれ、その名の通りマーチンゲールの反対の手法をとる。
すなわち、1単位賭けた後、勝てばその倍の2単位、さらに勝てばその倍の4単位、負ければ1単位に戻す、という手法である。分散はマーチンゲールの鏡対照となる。
稀に大勝するが、多くは小敗してしまうスタイルである。
ダランベール
ジャン・ル・ロン・ダランベールが開発したと言われる手法である。近年はこの手法およびバリエーションに人気がある。
負けた場合にベットを倍にするマーチンゲールとは異なり、負けた場合に1単位だけ増やす手法である。一度の勝ちでただちに全ての負けを取り返すことはできないが、チップの減り(および増え)はより緩やかになる。逆ダランベールも存在する。グランマーチンゲールに倣って、増減に偏りをつけるバリエーションもある。
ピラミッド
ダランベールのバリエーションの一つである。
最初のベットを1単位でなく例えば5単位とし、勝った場合は1単位減らし、負けた場合は1単位増やす。リミットに到達した場合(例えば上限の9、下限の1)元の5単位に戻す方法と、そのまま続ける手法とがある。
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